StarGazereD  第11章 − 1回


 遠い空のどこかの物語。
 辺り一面を星空に囲まれた中に、草の生えない、灰色のコンクリートの地面が浮かぶ。
 小さな石つぶが転がっていても、風は吹かず、石はいつまでもそこに張りついている。
 その地面――宇宙に浮かぶ小惑星に建つ中学校の屋上に、二つの人影があった。
 一人は長い髪でセーラー服の少女。
 もう一人はピーターパンに似た格好の少年。
 仰向けに転がっていた少年がまぶたを開いた。自分の右側に、横向きに倒れている少女の頭を、指先でやさしくこづいた。
 少女もゆっくりとまぶたを開く。
「おはよう、すばる」
 すばると呼ばれた少女は、まだゆめうつつにいるようにふんわりとほほえむ。
「こんばんは、コトリス」
「そうだね。夜と言えばココは夜だ」
 コトリスと呼ばれた少年は大きく目を開き、空の彼方を見上げる。
「見つけてくれたんだよ、ユキコちゃんが」
 少女も声に出さずにうなずき、小さな瞳で同じ所を見つめる。
「キミとボクは、ユキコちゃんのスターゲイザードになった」
 少年の、少女の額に触れる指先に、少女の手が重なる。
 隣り合った二人の手と手が、しっかりと結び合った。
 二人はいつまでも寝転がっているようだった。
 またはすぐに立ち上がって歩き出すようでもあった。
 ただ、しんと静かな宇宙の中から、二人の姿が消えることは決してなかった。